用済みタイルカーペットはリユースする時代へ。エムシープランナーズ社のリユースカーペット『エシレ』は、サーキュラー・エコノミーの代表格商品!
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  • 資源循環
  • ✎IRIEP事務局
  • 2018/08/02

タイルカーペットは、オフィスや会議室、公共施設などの多くの施設等で使用されていますが、毎年貼り換えで多量のタイルカーペットが使用済みとして廃棄されています。面積にして実に約20㎢です。さらに処分方法は最終処分による埋立です。

タイルカーペットは裏面に塩化ビニルを使用されている物が多く、焼却するとダイオキシンが発生するため燃やさないで殆どが埋設廃棄されています。このタイルカーペットが使用後に埋立されていることの問題もありますが、その量の多さには驚くばかりです。

タイルカーペット①

面積を比較すると、東京ドームでおよそ428個分になります。新品のタイルカーペットは毎年約25㎢ほど生産され、その内の約20㎢が貼り替えられています。生産量に対して実に80%が廃棄されていることになります。総重量は約10万トンに上ります。

【例】タイルカーペットの平均的な大きさを50cm×50cm(0.25㎡)とすると、毎年8000万枚(2000万k㎡÷0.25㎡)が廃棄。実に東京都港区の20.34k㎡に相当する面積となる。

これをなんとかしたいとリユース商品の開発に挑戦したのが株式会社エムシープランナーズの畠山文明社長。同社は、石材とカーペット専門の再生クリーニングを事業としており、この問題を肌で感じておられました。

畠山社長は、使用済みタイルカーペットの廃棄を社会課題と捉え、使用済みタイルカーペットをリユースすることで廃棄物の削減とCO2排出抑制、そして貼り換えコストの削減や雇用の創出などの経済的効果をもたらすと考えました。
そして、使用済みタイルカーペットの洗浄技術を自社開発されました。それが『リセット加工』です。

タイルカーペット②

『リセット加工』は、タイルカーペットの表面だけをきれいにするのではなく、中に溜まった汚れも取り除くことができて、タイルカーペットを繰り返し何回も使えることができます。

さらに商品化したのが『エシレ』です。商品名は、エシカル(Ethical 倫理的)とリユース(Reuse 再利用)からきています。

これは国連が主導する持続可能な開発目標「Sustainable Development Goals(SDGs)」のいくつかに該当します。また、一般社団法人産業環境管理協会主催の第2回エコプロアワードの優秀賞を受賞されました。

第2回エコプロアワード優秀賞受賞
主催:一般社団法人産業環境管理協会
後援:財務省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省

再生タイルカーペット『エシレ』は、循環型経済「Circular Economy」の位置づけをなし、廃棄物の抑制、資源循環、省エネ、脱炭素、雇用の創出など多くの可能性を秘めているといっても過言ではありません。国、地方自治体、公共機関、事業者、一般家庭に至るまで広く活用されることを期待したいところです。

畠山社長は、一般社団法人日本カーペットタイルリセット協会の理事でもあり、業界の連携など課題解決に取り組み、 タイルカーペットの『リセット加工』『リユース』をスタンダードにしていかれると思います。

世界に誇れる循環利用の商品『エシレ』は日本で生まれました。

タイルカーペット③
タイルカーペット④

エコライフフェア2018出展の様子