家庭用電気器具(家電)の寿命は?修理部品の保有期間は!?日本には修理用スペア部品の提供義務・規制はない!?欧州の対応は?
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  • ✎IRIEP事務局
  • 2022/07/29


生活に欠かせない冷蔵庫や洗濯機、エアコン、掃除機、テレビなどの耐用年数いわゆる寿命は、使い方、使用頻度、使用環境などによって変わってくるため法律で規定されていません。ただし、経年劣化による重大事故の発生率は高くないものの、事故件数が多い製品について、設計上の標準使用期間と経年劣化についての注意喚起等の表示を製造メーカー、輸入事業者へ義務化されています。

対象は、扇風機、エアコン、換気扇、二層式洗濯機・全自動洗濯機(乾燥機能がないもの)、ブラウン管テレビの5品目です。ただし、電気用品の技術上の基準を定める省令の技術基準に遵守すべき機能が付属している製品は対象となります。本規制の対象なる製品を故障等により修理をする場合には、設計上の標準使用期間に注意する必要があります。

一方、日本の大手製造メーカーや小売事業者で組織された、公益財団法人全国家庭電気製品公正取引協議会(略称:家電公取協)では独自の運用規約「家庭電気製品製造業における表示に関する公正競争規約」「公正競争規約施行規則」を定め、製品対する補修用性能部品(修理部品)の保有期間を定めています。この期間(年数)を下回ることはできないので、部品の保有期間を使用期間とみなすことができます。

注意:本表は、規約が定められた昭和59年当時の内容のため、載っていない製品の保有期間は、製造メーカーのホームページで確認する必要があります。

一方、欧州委員会は2021年にエコデザイン規則を改正し、製造業者や輸入業者には、製品の修理可能性を改善するため、モーターなど基幹部品を含む幅広い修理用のスペア部品の提供義務が課せられることになりました。製造業者や輸入業者は、修理事業者向けに当該製品のEU市場への最後の上市から最低7年~10年間、最終消費者向けに数年間、スペア部品の在庫保証期間を設けなければならなくなりました。(一部JETROビジネス短信を引用)

欧州のこうした取り組みは、環境を配慮した循環経済への取り組みと同時に消費者の修理する権利を強化していることにあり、日本との政策の違いはどこにあるのか、全体最適が優先されていることにあるように思えます。